piano01.jpg (7397 バイト) 家族

       語るべきものは 高邁そうな 哲学ではなく
   謳うべきものは 虚構の 甘い恋愛詩でもない

   これからも 愛し 愛すべき人々
                             … そう   家族である と思う

 

 

 

AB001.jpg (7088 バイト) 旅立つ朝に

 

   ほんとは 僕のこの肩を掴んで
  言いたかったのは「とにかく体だけは・・」だったんだね
  それでもあなたが言ったのは「さあ がんばって」
  
   懸命に笑顔を作るあなたに
   「心配ないから」と 微笑を作った僕
        
     18歳の春に こみあげた嗚咽、親父の背中 
        ――――― 母との 青色の春

 

 


   
     

       

   086003A.jpg (12003 バイト) 妻 @

        君の手 ―――――

                 たぶん、包丁の傷跡でしょう。
                    左 人差し指の先に 2本の古い線。
                 たぶん、料理中の 火傷の痕でしょう。
                 右    親指の付け根にある 黒ずんだ線。

                 たぶん、冬の冷たい洗濯水のせいでしょう。
                    艶を失いかけた指先。

          可愛い女の子だった 君が、 母親になっている。
                   そう、 その手は
 
                     僕の 母親の手と おんなじ 手だ。

 

 


   
   ふたりの朝      

 太陽の眩しさで 目を覚ます朝 
洗濯機をうごかす君の後姿

次々と 干される 僕のもの 
       ・・・・・に 並んで
君の白いブラウスを 見つける 女物

全身を 火が走る

  
 ふたりでの「日常」が始まる

  今日からの 
        春の朝 

    others3.gif (9945 バイト)             

 

 

 

 

 

 自分の親をも 愛せぬ者が  他人など 愛せるはずがない、という。

芥川の「杜子春」をはじめ 多くの作家 文豪は、 
この《恋慕の情》を 親と子という究極の間柄で 描いている。

いくらでも 糊塗できる 麗句の虚構の恋愛詩よりも
最も日常的な 家族への想いを 描くほうが 「人間の歌」を
謳ったと いえないか・・・・。  

 

 

 

 

   我が母の詩 ―― あなたの物

     今の 北九州市小倉で生まれたその少女は、
         当時としては ハイカラさんであったろう父親につれられて
         カフェ-にもいったという。
     いつも 弟より自分の方を かわいがってくれたように覚えているが、
    酒が好きで「本当は 教師になりたかったんだ。」と呟く父親
        でもあったらしい。
    手に大きな火傷の跡があり そのことが教師への夢を 国鉄の技師に
     してしまったのだろうと 思う。 
         それでも くったくのない明るい 洒落っ気の多い父親であった。と 
         覚えている。
        
     その父親が ふとしたことで 亡くなった時は 彼女はまだ11歳の
          小学生であった。  
          そして その2年後には 母親までも失ってしまうことになる。
     「世の中に 私以上の不幸な人間はいない。」と 泣き明かした
          小学生時代であったという。 

     兵庫の西宮の叔父宅に 引き取られるように移り住み、看護婦に
          なろうと 勉強をしながら 日記をつけ、作文を書くことで 両親への
          想いや 自身を 勇気づけることにしていった。
        
      その少女も 今は 3人の子供の母親となり孫もいる。
           高校卒業と同時に埼玉に一人就職していった末っ子の息子に
           毎月、いや 時には毎週のように手紙か葉書を書きつづけている。
          もう30年余だから 500通は超えたろう。

        
   
この少女こそが、私の母親であり 「今まで一番私を愛してくれた人」である。
    昨日、もう80歳になったオフクロから このホ−ムペ−ジの“
読後感想文”が
       届いた。 

        泣きながら 何度もなんども 読みましたよ。 と、あった。      
    

           

 

pht064.jpg (16109 バイト)

                    天気予報

 

                天気予報を聴いた後で 

               もう一度 「今日、傘 いる?」と  母親に 問う君

                登校前に 真夏の格好して 「これでおかしくない?」

               「この靴で大丈夫?」  「折りたたみ傘、欲しい」

               「車で おくってって」   「自転車で 平気かな」

                ・・・・・ この頃 母と娘は 忙しい

            

            浴衣

三女が、浴衣を着て 出かけて行った。
 末っ娘のせいか まだ少し幼稚さの残る彼女が
 友達と電車に乗って 夏祭りに出かける。
  去年までは 母親に「一緒にいこうよ。」
と云っていた 少女が 今年は一人で家を出て行く。
 「楽しんで来るんだよ。」と言う 
  女房が、少し寂しそうに見えた。

 

 

GSI001.jpg (8325 バイト)  熱燗

湯舟に肩まで 浸かりながら
いつも歌わぬ 艶歌を歌う
発泡酒一缶で酔うくせに
熱燗ッって 言ってしまう



そんな僕の傍にいて
君は 長袖シャツにアイロンをかけながら
「残ったら、少しくださいね。」



「ああ。」無視したような返事をしながら
一口分を 残そうとする 
ちょっと 肌寒い今夜 の ? 僕は

ほんの少し 酔っている  

 

 

SC002.jpg (7465 バイト)   太陽の母

さあ、君は

今日も いつもの君らしく

もう ひとつの 君の仕事場に駆けてくれ

声援するのは 君の愛娘

そして 伴侶たる 夫君


汗も 涙も 笑いも 怒りも

ぜ-んぶ 君の いのち

それらを 大切に 愛しみながら

太陽の子と 太陽の母とで

にっこり微笑みながら 駆けていけ

いつも微笑みながら 駆けていけ

力の限り  安心して

駆けていけ

                  

 

 

   

JM04.jpg (6831 バイト) 湯たんぽ

「ああ、寒い寒い。」
君が布団に 潜りこんでくる。

「炬燵、こたつ。 ああ、湯たんぽさん。」
僕の足に 絡まるように

「俺は 湯たんぽじゃない。」
「ううん。」

冷たく感じた君の足が
もう 温かい。

冬の夜
僕は 湯たんぽに なっているらしい。

 

 

 086003B.jpg (13160 バイト) 妻 A 

風邪気味で  早く布団に潜り込みたい僕が

「ホット・ウイスキイ、つくってよ。」

「ホット?どうやって作るんですか?  …・・ 燗する…。」

「かん ! …だからァ。 お湯割。」

「お湯?」


君の親父は 酒好きのはず。

その一人娘が……。

今夜の吾が愛妻の 素性は不祥。

「ううん。  いいや、オヤスミ。」

 

 

JM07.jpg (7499 バイト)  寒いよ、

「寒いよ、母さん。」と 末娘がいう
    「スト−ブ出さないとね。」
    で、一日。
 扇風機を片付けるので もう一日。
 灯油を買ってきたのが 次の日。
 その日は」暖かくて・・・
 灯油を入れるので 一日。

 五日目に 変わる 我が家の季節。

 

 

 


君のためなら

    君のためなら 鬼にでも悪魔にでも――
     健気な母は そう言ってるのですよ

    眼前に どれほどの財宝があろうとも
     往くてが どんなに険難の道であっても
    君のためなら 触れもせず恐れもしない――  
     健気な母は そう言ってるのですよ   

         もし君が 倒れるようなことがあれば
         その上に覆いかぶさり 
         弓矢・弾丸を 一緒に受けて
        いっしょに 死んでいくからね――――
         君の母は そう思っているんですよ

   君の骨が砕けるくらい
   君の全身を 力の限り抱きしめているのは
       この想いよ とどけ
  この祈りよ とどけ――――と 伝えたいからですよ

                   

 

 

                086003D.jpg (21727 バイト)  妻 B

仕事で 深夜に帰ってくる日があります。

闘って 負けて帰ってくる夜もあります。

君は 僕を待ちきれずに 短いメモを 残して

すっかり眠ってしまっています。


疲れきった僕が   

そっと 君の手を握った事を

知っていますか。


深い眠りの中の君が

ぎゅっと 握り返した事を

覚えていますか。


僕は

ひとりぼっち では  ないのですね。

 

 

 

 

 

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